11月の恒例会〜修験のヴィパッサナ瞑想

山王院の恒例会を11月1日に行いました。

恒例会での法話は、「四聖諦(苦しみ、苦しみの原因、苦しみを滅する、苦しみを滅する八つの正しい対処の道)」の教えを観察することと、貪り・瞋り・痴かさ・我への執着・心の散乱という五種類の心の働きを調和させる修行である「五停心観」のうちの「無我観」についてでした。

 

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「色・声・香・味・触・法」の六つの感覚の対象(六境)と、それらを知覚する「眼・耳・鼻・舌・身・意」の六つの感覚器官(六根)と、感覚器官からの情報を認識する「眼識・耳識・舌識・身識・意識」という六つの識(六識)とをあわせて十八界とよびます。

 

十八界のすべて(諸法)は、「地・水・火・風・空・識」の六大が和合したものであり、執着すべき我というものはどこにもないと分析的に観察して我執を離れていく瞑想を「無我観」といいます。

 

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「五停心観」と「四念処観」は、最近マインドフルネスで流行している上座仏教系と共通する瞑想法(観:ヴィパッサナ)でもありますが、大乗仏教では「空と識」の見解が上座仏教とは異なります。

 

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日光修験道ではこのように上座仏教の瞑想も、大乗仏教系の瞑想も行っていますので、マインドフルネスに興味がおありの方は、ぜひ山王院の恒例会に足を運んでみて下さい。

ちなみに次回の恒例会は1月です。

心を柱源の秘法に発す

平成27年11月15日柱源會当日の朝、行者が各地から山王院に集結しました。

出発の鐘の合図とともに、法螺を先頭に山伏行列が本堂に向かいます。

 

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大先達である伊矢野法頭が登壇し、修験道の秘法である柱源神法が修され、さまざまな所作がなされます。

 

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柱源神法のクライマックスである採灯の火柱は高々と燃え上がります。

 

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この柱源神法の採灯は密教の護摩とはまったく異なる修験道に古来より伝わる秘法です。

 

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大先達は十界一如の深秘観を修め、即身頓悟の境涯に住します。

 

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柱源會の法要が終わり、集まった修験者たちに大先達・伊矢野法頭からねぎらいのご挨拶がありました。

 

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柱源會が終わると、月献供と12月8日のお釈迦様の成道會です。

11月15日・柱源会への誘い

柱源(柱源神法とも呼ばれます)は、「本覚」(本来的に仏の覚りが完成しているということ)の徳のうえのはたらきとして、その本来的な覚りのありようを明らかに理解しようとするものです。

 

一般には柱源護摩として知られている「採灯(柴燈)」は、心が識にはたらきかけて「三昧」の状態に到り、行住坐臥その状態にとどまることを説いています。

 

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この機会に、往古より修験に伝承された深秘の法である柱源神法に触れてみませんか。

 

日時 11月15日(日) 午前11時〜

(参詣者の方は10時30分までにいらっしゃってください)

 

 

 

柱源会のご案内

平成27年11月15日(日)に山王院本堂において柱源会法要が執り行われます。

 

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「柱源(ちゅうげん/はしらもと)」は「峰中法流」とも称され、役行者が箕面の瀧窟に霊的に出現した龍樹菩薩から、直接に授けられた霊位相承によって伝えられた修験道の最極奥義です。

 

「柱源:は修験道の究極の秘法のため、正式な伝承者は数えるほどしかないため、一般にはほとんど知られておらず目に触れるこ機会も滅多にありません。

 

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日時 11月15日(日) 午前11時〜

(参詣される方は10時30分までに山王院においで下さい)

 

山王院宿坊に前泊も可能ですので、参加あるいは前泊を希望される参詣者は、寺務所までご連絡ください。