平成29年 秋峰修行を行いました 其之三

其之二から続き)

秋峰修行3日目は日光山内をお練り法楽(おねりほうらく)します。
これは日光の諸堂を巡拝して山内の神仏を礼拝するものです。
前日の強雨とは打って変わって台風一過の暑い日となりました。

郷土センターを出発後、行列は日光市内を進み神橋(しんきょう)を渡って山内へ入ります。
神橋を渡り切りできるのは、江戸期は勅使と将軍、入峰の山伏だけでした。

日光山内の寺社で御法楽します。

常行堂での御法楽

昼食の後、山王院へ戻り出成り(でなり)です。
懺法を読誦して御本尊様へ無事の満行を報告した後、Aコース参加者には入峰証、Bコース参加者には火渡証がそれぞれ授与されます。

本年は強雨の中、気温も低く難行苦行となりましたが、開祖役行者、開山勝道上人、日光三所大権現、峰中本尊金剛童子はじめ諸尊の御加護と御導きの下、無事の満行となりました。

平成29年 秋峰修行を行いました 其之二

其之一から続き)

十界修行の後、バスで古峰ヶ原へ移動します。
山王院を出発するときはぎりぎり曇天を保っていた天気が、標高が上がるにつれどんどん崩れていきます。
深山宿(じんぜんのしゅく)を発つ頃にはかなりの強雨になってしまいました。

深山宿から中禅寺湖の畔、二荒山神社中宮詞(ふたらさんじんじゃちゅうぐうし)まで夜通し歩きます。
今年は気温も低く、前年にも増して難行となり、高齢の初入峰者が途中で引き返すこととなりました。
月明かりのない豪雨の深夜、ケータイの電波も繋がらない状況で、緊急の螺を使うこととなってしまいました。
緊急の螺は本来使われないことが望ましいのですが、今回は掛け合いの法螺により引き返した行者を無事に導くことができ、その威力が発揮されました。

秋峰修行2日目は中禅寺での採灯大護摩火生三昧(さいとうおおごまかしょうざんまい)です。
二荒山神社中宮詞で小休止、御法楽の後、夜通しの抖擻(とそう)で冷え切った体に鞭打って中禅寺へ移動します。

雨は降り続いていましたが、風はなく火生三昧は決行となりました。
強雨にもかかわらずお参りいただいた皆様に無事火渡りをしていただけました。

其之三へ続く)

平成29年 秋峰修行を行いました 其之一

9月16日から18日にかけて秋峰修行を行いました。

16日は秋峰に先立ち、立螺講習を行いました。
今年から峰中での立螺の符丁を定め、法螺の音を連絡手段として活用することにしました。
集合の螺、出立準備の螺、行列停止の螺、緊急の螺です。
古来からの通信手段です。

秋峰初日は千巻心経と十界修行です。

山王院本堂にて秋峰参加の行者全員で般若心経を千巻読誦しました。

夕食の後、十界修行です。

十界修行とは
(1)地獄
(2)餓鬼
(3)畜生
(4)阿修羅(戦いの心)
(5)人間(懺悔の心)
(6)天人(神々)
(7)聲門(説法を聞いて悟る位)
(8)縁覚(因縁を観じて一人で覚る)
(9)菩薩
(10)仏
の十種でそれぞれの心を自からの裡々に具わっていることを知り、仏の覚りに向かう修行です。

十界修行を終えたらいよいよ入峰です。バスで古峰ヶ原へ移動します。

其之二へ続く)