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現象はあるが実体はない?

どうも、慧乗坊です。

以前、ユング派のドリームワークを学んでいた頃、面白い体験をしたことがあります。

部屋を暗くし、夢を思い出すために意識の覚醒水準を下げ、参加者のだれもが目をつぶり、まさに夢を見ている状態で、夢の語り手の話を聞いていました。

 

どういう内容だったかはつぶさに覚えていないのですが、意識が向いている空間の左端に空気が動く気配がしました。あっ!子ども!と意識が知覚した刹那、夢の語り手から「その時、子どもが…」と語られ、(子ども…、子ども…)と会場がかすかに動揺した感じがありました。

 

人間は、知覚神経の興奮状態を「外的な何か」と意識します。神経生理学のレベルでは、末梢の知覚神経の興奮は約0.5秒遅れて意識化され、この0.5秒の間に意識は出来事を組み替えなおし、あたかも最初から知覚していたかのように認識される、ということが知られています。つまり、「子ども」という言葉を聞いた0.5秒後に、意識がまるで自分もそのことを考えていたかのように反応しているのです。

 

このような「出来事を組み替えて物語化する」という人間の常態について、師匠である伊矢野法頭は「逆・般若波羅密多」とおっしゃいます。確かに外的な何かに反応したにせよ、その知覚は自分の外ではなく心の中で起きていることなのです。外にある何か、と意識が彷徨ったとしても、それは心の中のイメージの揺らぎにしかすぎないのですよね。

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エラそうに書いたり語ったりしていますが、お恥ずかしい話、私自身、恵印三昧耶の加行の際、一切智者・八宗の祖といわれる龍樹菩薩法で障碍(引っかかり)がおきたことがあるのです。

その時には、師匠から「莫妄想(まくもうぞう)」「言妄慮絶(ごんもうりょぜつ)」「如実知自心(にょじつちじしん)」などの教えを朝まで何度もたたき込まれ、「心の現れに過ぎない」ということがようやくわかりかけてきた頃、またまた、面白い体験をしたのでした。

 

特別養護老人ホームを訪れたときのこと。入室者が少ない階の廊下を歩いているとき、うら寂しいデイルームのカウンターテーブルの上に、生首(らしきモノ)が乗っていました。

私は、あぁ、あるなぁ、という感じで視ていたのですが、同行者は真っ青になって震えていました。きっと同じモノを見ていたのでしょう。近づくにつれ、その生首(らしきモノ)は次第に背景に溶け込み見えなくなってしまいました。直後に同行者は悪寒を訴え、急な発熱と頭痛でフラフラになってしまい、抜き取り加持をしてあげて、事なきを得たのでした。

 

この話を師匠にしたところ『「現象はあるが実体はない」という「般若波羅密多」を理解するコツは、バカになること』という究極の奥義を伝授していただきました。

「あぁっ!思い込みという固定観念を手放せ、ということですね、お師匠さまっ!?」と0.5秒で答たところ、「それが所知障(ちえのさわり)!」とツッコミくらった思い出も、いまでは楽しい語り草になっています。

 

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慧乗坊

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淨巾縫い始めました

今日から淨巾を縫い始めました。淨巾とは星祭の大壇に敷いてあった淨布を切って縫ったものです。仏壇、神棚を拭く時、病気の方の額を冷やしたり、また枕の下に置いてお休みになったりと用途は様々です。淨巾は星祭当日ご参拝にいらっしゃった方にお分けしてます。

妙華坊

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慈覚大師様お逮夜法要を行いました

 

1月13日(火)慈覚大師様お逮夜法要を行いました。余り知られていませんが慈覚大師様は栃木県の御生れで天台宗を大成された方です。唐に渡られ廃仏の嵐の中密教や念仏、法華の教えを日本に伝えられました。五台山では文殊菩薩の奇端を得られ、日本では文殊菩薩の化身といわれています。

お逮夜とはご命日の前夜をいいます。ご命日の前の日より慈覚大師様の威徳を偲んで法要を行います。

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