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令和2年度の柱源法要を厳修いたしました〜其の壱

柱源(ちゅうげん、はしらもと)は、修験道の究極の秘法とされ、秘伝・口伝として現代まで密かに伝えられてきました。

 

 

柱源(柱源神法)の教えでは、生起→胎内→胎外→死滅という生命の循環の中に、すべての存在を生み出し、成り立たせ、成熟させる本覚(仏の覚りが本来的に完成している真如)の働きを見出し、本来的な覚りのありようを理解・体現しようとするものです。

 

 

柱源の教えは一般にはほとんど知られていない教えであり、他の仏教儀式のように一般の人の目に触れることはほとんどありません。

令和2年11月15日(日)に、究極の秘法とされる柱源神法の法要が日光修験道山王院本堂にて厳かに営まれましたので、その一旦をご紹介いたします。

 

 

 

コロナ禍の中、山王院に集結した修験者一同は、法螺隊を先頭に隊列を組み、柱源法要が営まれる本堂に向かいました。

 

 

大導師の法頭が獅子座に就き、いよいよ修験の最極秘法である柱源法が厳修されます。

 

 

柱源の教えを象徴的に表した水輪等を用いて、閼伽・手一合・床堅など、などさまざまな柱源の行儀(教え)が行じられます。

 

 

生起(閼伽)の行儀では、二本の乳木に示される阿吽の命息から識大が生じ、二水和合のところに色法・心法、すべてのものが生じる様子を観じます。

 

 

胎内(手一合)の行儀では、法界の「元気(有識体)」が無作本有のありさまで成長する過程を現します。

本来、不生不滅根源の中に、忽然と無明煩悩の働きが生じて九界を形成し、そのなかにあっても仏心を離れない覚体(覚りのはたらき)であることを示すものです。

 

 

胎外(床堅)の行儀では、自身が即ち五輪塔であり、また鑁(バン)一字所成の金胎両部不二の仏身であり、行住坐臥に本源の解脱を離れることがないことを示しています。

 

 

続く死滅(採灯)の行儀は柱源法要の最大のクライマックスです。

命息(阿吽の呼吸二気)の途絶(死)の時に六大が分解して中有(死後の世界)に移る様子を火葬の形になぞらえ、炉壇のうえに色法・心法の象徴である壇木を積み上げていきます。

 

(続く)