●春修行を行いました 2日目
6月2日、春修行の2日目です。朝8時半バスで出発し、勝道上人ご誕生の地仏生寺に参拝いたしました。
ここは上人の御母堂の実家跡で上人産湯の井戸などがあり、本尊は薬師如来が祀ってあります。後ろの山には八十八箇所が勧請されています。
仏生寺を出発し、次に下野薬師寺に参拝しました。
このお寺は奈良時代、鑑真大和上が伝えられた戒律を授けるために戒壇が置かれた三箇寺、東大寺(中央)・薬師寺(東海道足柄以東、坂東十か国)・観世音寺(西国九州)の一つです。ここで戒律を受けて初めて正式な僧侶となることができました。
日本三戒壇の一つである薬師寺は、昔は広大な敷地を持ち一塔三金堂の様式の大伽藍が建っていたそうです。
後代、足利政権が全国に安国寺を建てた時、この寺を安国寺と改称しましたが、平成29年より、本堂・山門・仏像・庫裏の修理をし、平成30年7月に寺名を創建当初の「下野薬師寺(しもつけやくしじ)」に戻されたそうです。その後、奈良の唐招提寺より鑑真大和上御廟の土と薬師如来像(唐招提寺の模刻)をお迎えしました。
参拝当日はご法楽ののち、ご住職からお寺の歴史など貴重なお話を伺いました。
その後、上三川町(かみのかわまち)で昼食を済ませ、出流山満願寺に向かいました。
満願寺では雨が降る中、立螺の音も高らかに御本堂に参拝いたしました。
このお寺のご本尊は千手観音ですが、奥の院には十一面観音さまが祀られています。この十一面さまは鍾乳石で、伏蓮華の上に後ろ向きに立つ御姿だとされています。
かつて勝道上人のご両親がこの地に籠り子供が生まれるように祈願し、勝道上人がお生まれになりました。また上人も長じてこの山に籠り修行をし、日光山を開く出発の地とされています。
昨日登った三枚岩の出流寄りの山頂(横根山)が上人が剣を夢に見た大剣峰(だいけんぽう)であり、出流・日光はともに寺号が満願寺・本尊が千手観音で大峰修行が熊野・吉野の間を修行道とするように、古い時代には出流・日光が修行道の入口・出口となっていた時代もありました。横根山の村の社に江戸以前の入峰の名残として、古い棟札に「熊野権現金剛童子」と書かれたものがあります。
春修行は開山勝道上人のご遺徳をしたい、その旧跡を拝していく修行です。来年はまた異なる拝所を参拝します。
本年の春修行成満を感謝するとともに、全ての人々に勝道上人の御加護と日光三所大権現・峰中本尊金剛童子さまの御守護がありますようご祈念申し上げます。