令和2年度日光修験道山王院 秋の峰入り修行〜其の弐

鹿沼の古峰ヶ原から出発し漆黒の闇の中を、コロナ禍で入峰を途絶えさせない強い決意のもと、懐中電灯の明かりを頼りに峰中先達の先導で入峰していきます。

峰中の神仏は我々を例年通りに受け入れてくださったようで、各拝所では安心して拝むことができました。

未明に細尾峠に到着し、食事休憩の後、茶ノ木平へ向かいます。途中でお不動様を拝みます。今年は雨天と寒さのため疲労がピークですが、もう一息です。

茶ノ木平に到着。茶ノ木平を守ってきた古木に碑伝札を打ち、勤行します。頂上にガスがかかっていて男体山のお姿の全容を拝むことはできませんでしたが、その雄大な御神威はひしひしと肌で感じることができました。

茶ノ木平より下り中禅寺湖畔へ至り、二荒山神社(中宮祠)にて御法楽。

中禅寺立木観音堂にて御法楽。

大黒天堂では特に摩訶迦羅大黒天神咒、七母女天秘密神咒を誦し、疫病消滅、天下泰平を懇ろに祈願申し上げました。

日光山内へ下り常行堂にて御法楽。

二荒山神社(山内)にて御法楽。

輪王寺御本坊では御法楽の後、輪門隆盛の祈祷札を献納しました。

三仏堂(日光山金堂、三所本地堂)にて御法楽。

護摩堂にて御法楽。

神橋に至り、深沙大王、明星天子に御法楽。

鹿沼の山王院に至り結願法楽を行いました。

最後に全員に入峰証が授与されました。

今回はコロナ禍のため、少人数で例年とは異なる日程での修行となりました。少ない人数で修行をやりきる大変さを感じさせられました。

少しでもコロナ禍が収まり、世の中がよくなりますように。

南無日光三所大権現。

南無日光開山勝道上人。

南無峰中本尊金剛童子。

南無神変大菩薩。

 

 

令和2年度日光修験道山王院 秋の峰入り修行〜其の一

日光修験道山王院の恒例の秋の峰入り修行を行いました。

令和2年9月15日、秋の峰入り修行の幕開けとして、鹿沼市銀座の山王両所院に大宿道場が開かれました。道場では毎日勤行が行われました。

 

 

令和2年9月19日(土)、大宿道場を山王院に移し秋峰修行が始まりました。

今年は新型コロナウイルス感染症の蔓延のため、例年と異なり一般参加は中止し規模を縮小して、行者数人のみで苦修練行いたしました。

 

 

峰入りに先立ち、山王院の境内で峰入り修行の安全と疫病消除を祈る採灯護摩が厳修されました。今年は慧乗房が採灯護摩導師を務めました。

 

 

お願い事が書かれた護摩札を清らかな護摩の炎をもって加持し、併せて疫病不罹患を祈念いたしました。

 

 

採灯護摩修行の後、山王院本堂で正覚坊を導師として千巻心経が厳修されました。

千巻心経は行者が休みことなく般若心経一千巻を読誦し、仏菩薩・明王・天部・神祇に至心に祈りを捧げる法会です。疫病流行の際には、千巻心経にて疫病退散を祈ったともいわれます。

 

 

簡単な夕食を取ったのち、数名の行者が漆黒の霧雨の中、入峰修行に出発しました。