月輪には、さとりの完成型として、清らかさ(清浄)・涼やかさ(清涼)・明るさ(光明)、という3つの徳があります。
この月輪の3つの徳は、それぞれ、貪(むさぼ)り・瞋(いか)り・痴(おろ)かさ、の三毒を離れた状態と説明されます。
恒例会のプチ修行である月輪観(お月さまの瞑想)では、月輪を見て、心の中に月輪を生起し、集中することで、無相・無願・空の3種類の三昧(さんまい)を体験します。三昧(サマディー)とは、心を一つの対象に向けて安定して保持した状態、つまり心が対象と一体化し離れていない状態で、定(じょう)とも呼ばれます。
今回は、三昧に入りやすくするために、月輪観の前に五字明咒を唱えました。真言のリズムと呼吸のリズムが合うと、それが心のリズムになります。
心は、外・内・中間のどこにもなく、ただ動いているので、心のリズムを感じると、心に生起する月輪という対象と、今この瞬間との時間的な感覚が短くなってきます。
そして、今ここで見えているだけ、聞こえているだけという、「私」という自我観念が生まれる以前の「心の本質(純粋体験)」をかいま見ることができます。
驟雨(しゅうう)に濡れた凌霄花(ノウゼンカズラ)が目に鮮やかでした。
9月6日(日)は10時からの立螺講習は行いますが、午後は秋峰の準備のため、恒例会はありません。
次の恒例会は、10月4日(日)になります。
初めて参加を希望される方は日光修験道寺務局まで電話にてお問い合わせ下さい。