11月の恒例会〜修験のヴィパッサナ瞑想

山王院の恒例会を11月1日に行いました。

恒例会での法話は、「四聖諦(苦しみ、苦しみの原因、苦しみを滅する、苦しみを滅する八つの正しい対処の道)」の教えを観察することと、貪り・瞋り・痴かさ・我への執着・心の散乱という五種類の心の働きを調和させる修行である「五停心観」のうちの「無我観」についてでした。

 

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「色・声・香・味・触・法」の六つの感覚の対象(六境)と、それらを知覚する「眼・耳・鼻・舌・身・意」の六つの感覚器官(六根)と、感覚器官からの情報を認識する「眼識・耳識・舌識・身識・意識」という六つの識(六識)とをあわせて十八界とよびます。

 

十八界のすべて(諸法)は、「地・水・火・風・空・識」の六大が和合したものであり、執着すべき我というものはどこにもないと分析的に観察して我執を離れていく瞑想を「無我観」といいます。

 

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「五停心観」と「四念処観」は、最近マインドフルネスで流行している上座仏教系と共通する瞑想法(観:ヴィパッサナ)でもありますが、大乗仏教では「空と識」の見解が上座仏教とは異なります。

 

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日光修験道ではこのように上座仏教の瞑想も、大乗仏教系の瞑想も行っていますので、マインドフルネスに興味がおありの方は、ぜひ山王院の恒例会に足を運んでみて下さい。

ちなみに次回の恒例会は1月です。