平成30年12月の立螺講習会・恒例会を行いました

12月2日(日)に立螺講習会と恒例会を行いました。

午前中の立螺講習会は山王院の故心庵で行いました。

 

 

前回に引き続き自然な腹式呼吸の体得を目標に、前半は完全脱力の姿勢から法螺貝を構えた姿勢まで腹式呼吸を確実に維持する練習、後半はこれを踏まえ、腹で乙音を甲音に押し上げる練習を行いました。

午後の恒例会は山王両所院に場所を移し、勤行と座禅の後、法頭から法話がありました。

 

 

恒例会では発心に関する法話がありました。発心は、発菩提心といいます。この菩提(仏様の覚り=最終的な苦しみからの脱却)を求める心を始めから起こすのは中々難しいものです。ですからまず自分の持つ苦しみ、また直面している苦しみからの脱却を願う、この願いが、始めは自分が苦しみを受けず安らかさを願うものであっても、その立場から身近な人も同じように苦しみを受けたくないのだという思いに至り、その心をあらゆる人や生き物に広げていくことが大切です。

例えばこの心が小さな蟻のようなもの、また蟻が運んでいるものより小さいものであっても、その心を持ち続けることは仏・菩薩の慈(楽を与え)悲(苦を抜く)の思いと同じものです。この心を、例えば山の修行、男体山9合目のガレ場(細かい火山灰の砂利道)で三歩進んでニ歩下がるような状況でも、一歩一歩進むことで頂上に至るように、失うことなく持ち続けることが正しい発心であり、この心の上にあらゆる修行があるのです。また行に魔が入らないためには、この心を基礎とすることが大切です。