山伏と行く、日光修験・春の峰入り

平成27年6月6日(土)〜7日(日)の一泊二日で日光修験道の春の峰入り修行(花供入峯)が行われます。

 

山王院を出発した後、途中、いまなお霊験あらたかな今市の「追分地蔵尊(おいわけじぞうそん)」で法要の後、「興雲律院(こううんりついん)」に入宿。昼食後に本堂で春峰の無魔成満を祈念する法要を行い、日光山を開かれた勝道上人(しょうどうしょうにん)が建立された「四本龍寺(しほんりゅうじ)」で参拝御法楽ののち「星の宿」に移動します。

 

「星の宿(ほしのしゅく)」は、神橋(しんきょう)から仰ぎ見える「星の宮(明星天子を祀る)」からさらに奥まったところにあり、不動明王と明星天子(本地:虚空蔵菩薩)が祀られています。この「星の宿」は日光修験道の冬峰の最終行場でもありました。ここにも「四本龍寺」と同じく、日光修験特有の鳥居のある採灯護摩壇があり、いにしえより日光修験にのみ伝わっている「顕密護摩(けんみつごま)の秘法」が厳修されます。

 

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のちに小来川(おころがわ)の鎮守・星の宮(本地:虚空蔵菩薩)を参詣し、鉢岡(はちおか)にある代々修験者がお昼を使ったお宅で、歴代の報恩のための法楽の後、山王院に戻り投宿します。

(日光修験と星あるいは明星天子の関係については「日光の神仏」を参照ください)

 

さて二日目は山王院から「古峰ヶ原(こぶがはら)」に向かいます。「古峯神社(ふるみねじんじゃ・旧前鬼)」の先から沢伝いに山道を45分ほど登り、「深山の宿(じんぜんのしゅく)」に到着です。「深山の宿」は日光修験の最秘所であり、修験道のさまざまな灌頂が行われたと伝えられていますし、現在でも秋の峰入りはここからスタートします。この「深山の宿」で「採灯護摩(さいとうごま)」を厳修します。

 

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この採灯護摩ののち、古峰ヶ原高原を経て45分ほどで「三昧岩(さんまいいわ)」に到着します。ここは日光開山勝道上人が禅定三昧を修したと伝えられている場所であり、日光修験の峰中本尊(ぶちゅうほんぞん)でもある「金剛童子(こんごうどうじ)」がお祀りされています。

(日光修験の峰中本尊・金剛童子についても「日光の神仏」をご覧ください)

 

山を下りて山王院に戻り、本堂で春峰行満の法要ののち、新客(初めての参加者)には「峰中秘文(ぶちゅうひもん)」が授与され、日光修験道・春の峰入り修行(花供入峯)の全行程は行満になります。

 

日光修験道の春峰は一般の方でも無理なく参加できますので、春峰募集要項をご覧になり、ふるってご参加ください。

(難易度:初心者向け:☆☆☆)